白麟寺のこと

ABOUT

白麟寺の起源は、北海道開拓時代に遡ります。

現在の北見市相内地域、当時の相内村を開拓した屯田兵の曹洞宗の拠り所として鏡仙丈老師によって
明治30年に相内屯田墓地に寺の前身が築かれ、明治40年7月17日に寺号公称され白麟寺が建立されました。

その後、大正四年に副島如箭大和尚が住職となり、4世副島正道大和尚、5世副島豊道と継がれ、今に至ります。

名 称曹洞宗(禅宗)
本 尊釈迦牟尼仏
両 祖高祖承陽大師・太祖常済大師
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由 緒

HISTORY

名前の由来

一般的に、狐を祀った神社と理解される稲荷ですが、豊川稲荷の正式名は「妙嚴寺」であり、曹洞宗の寺院です。
白麟寺という名前は、妙嚴寺で修行を経験した辻田道苗老師の兄弟子の名が由来と言われており、現在の白麟寺でも、豊川稲荷にちなんだ祠があります。

現在の白麟寺

白麟寺は現住職の祖父副島如箭、そして先代である副島正道が今のお寺を発展させて現在に至りました。今の住職である副島豊道は茶道やカーリングを通じて地域との関わりを持ち、檀家との結びつき、禅の精神を伝えています。

白麟寺史

本寺

根室市弥栄町1-1 開法寺

開山歴住名

開山東照十六世大安実如大和尚(副島)

開基岳叟五世仙嶺道苖(辻田)

二世開法五世良山珍慶(国裡)

三世中興一透如箭(副島)

四世重興天外正道(副島)

開教年月日

明治三十年六月八日

寺号公称年月日

明治四十年七月十七日

白麟寺と狐のお話

美園の長老狐

STORY

白麟寺は、お稲荷さんとのゆかりが深いお寺です。
北見市相内地域まちづくりの会で制作された、狐のお話をご紹介します。

概 要

INFORMATION

寺院名

覚皇山 白麟寺(かくおうざん はくりんじ)

住所

〒099-0878
北海道北見市東相内町189番地

電話

0157-36-5406

FAX

0157-36-8900

駐車場

正面入口より向かって右手にございます。

公共交通機関

北見バス 温根湯留辺蘂線
東相内駅前バス停下車

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 むかしむかし、長いせんそうがおわり、まだ美園が相内村(あいないむら)の二部落(にぶらく)と言われていたころのお話です。

 西十八号線のつき当たりにあった、第二区神社(だいにくじんじゃ)のうらにすんでいる長老狐(ちょうろうきつね)が、小狐をあつめて、何やらむかし話をはじめました……
 ワシがまだわかかった、明治(めいじ)のおわりころの 話じゃ。

 まだここは野付牛村(のつけうしむら)と言われていたんじゃが、中野付牛に本覚寺(ほんがくじ)と言うお寺があってな、そこのじゅうしょく正見(しょうけん)さんは、「かた目のぼうさん」と言われ、村の人々にうやまわれておったんじゃ。
 ある日、正見さんがこの上野付牛の二区、そう、ここらあたりのことじゃが、そこにある、おだんかさんの家へ法事(ほうじ)にやって来たんじゃ。

 おつとめがおわり、オトキを出された正見さんは、みんなとかたらいながら、ひと時をすごされておったんじゃ。
 ワシはそのオトキの中の、あるにおいにつられて家の外におったんじゃ。
 それは何と、ワシらの大こうぶつのあぶらあげのにつけでな、それはそれはおいしそうに、食べておったんじや。

 すぐにでも入って行って、ワシもごちそうになりたかったんじゃが、のこのこ出て行っては、てっぽうでうたれるかも知れない。
 何せ、そのころ、このあたりの家にはたいていてっぽうがあったんじや。
 ところが、オトキがおわり、正見さんが帰ろうとすると、何とおみやげにあぶらあげのつつみを、もらっているではないか。

 ワシはそおーと、正見さんのあとをつけながら、そのつつみをいただくさんだんをしておったんじゃ。
 間もなく、今では国道と線ろが交わっているあたりにさしかかったんじゃが、あのあたりはまだ線ろもなく、ちょっとした森だったんじゃ。

 そこでワシは「いまだ」と、正見さんをばかしにかかったんじゃ。
 おどろかせば、あぶらあげのつつみをおとすだろうと思ってな。
 しかし、あい手はぼうさんじゃから、おばけじゃおどろかないだろうと思って、森から先の道が見えないようにばかしたんじゃ。

 ところが、おどろくどころか、道ばたの石にすわりこんで何やら考え出したんじゃ。
そして何と……
 「これはあぶらあげほしさに、狐がばかしておるんじゃな」と、言ったとたん、つつみをといて、あぶらあげをみんな食べてしまったんじゃ。
 その上「どうじゃ狐、むだだったな」と言ったんじゃ。

 くやしかったが、正見さんが一まい上手(うわて)じゃった。
 あきらめてばかすのをやめたら、正見さんは、ゆうゆうと寺へ帰って行ったんじゃ。
 たまにはワシとてしっぱいする時があるが、何のこれしき。まだまだむかし話はあるぞ。聞きたければまたおいで。

 おとなにはきびしい長老狐でしたが、子どもたちにはやさしいのでした。


おしまい
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 ウォッホン。まえの話しは、ワシがしくじった時の話じゃったが、今日は、そのかたきをうった時の話じゃ。

 正見(しょうけん)さんにしてやられてから、しばらくして、今どはご近じょで、その家の大ばばが死んだんじゃ。
 さっそくつかいのものが、むかしあった駅逓(えきてい)の近くの曹洞宗(そうとうしゅう)の説教所(せっきょうじょ)、
今の白麟寺(はくりんじ)さんのことじゃが、そこの道苗(どうみょう)さんというおぼうさんに、そうしきをたのみに行ったんじゃ。
 つかいのものが帰って来て、通夜(つや)のじゅんびもととのい、くらくなりだしたのに、道苗さんはいっこうにやってこないので、家ではみんながざわつき出したんじゃ。
あまりのおそさに……

「だれかようすを見てこい」「和尚様(おしょうさま)がたおれていたら大へんだ」ころうのしじで、わかいしゅうが外に出てみると……
 何と、道苗さんは近くのはたけのはしをぐるぐると回っていたんじゃ。

「和尚様、どうされたんですか?」けげんそうにたずねたわかいしゅうに道苗さんは……

「いやいや、家の光はみえるのじゃが、いっこうにたどりつけんのじゃ……。こりゃきつねにだまされたのかのお一」
 そのことばを草原の中で聞いていたワシは、心の中で「しめしめ」と思ったもんじゃ。

 道苗さんのそうぞうした通り、ワシがばかしたんじゃ。

 なんせ、今回は油揚(あぶらあげ)もないし、月も出ていないうすぐらがりじゃ、ワシのすがたを見られる心ぱいもない。
 ばかされて、ワシの後をついてくる道苗さんのすがたは、あせっている分だけ、おもしろかったぞ。

 そうしきがおわった後で、「あれはきつねのかたきうちじゃな。正見さんのせいで道苗さんもさいなんじゃったな」と近じょの人が話しているのを聞いて、ふたたびニヤリとしたもんじゃ。
 きつねたるもの、しっかりだまさねばならん。みんなもばかしのじゅつを、しっかりれんしゅうするのじゃゾ。 そうしたら、もっとおもしろいむかし話を聞かせてあげよう。

 きびしくもやさしい長ろうぎつねでした。


おしまい
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